銀行が教えてくれない!税理士が明かす『融資が通る』決算書の作り方
銀行融資を申し込む際、決算書の内容が重要なポイントとなることは広く知られています。しかし、具体的にどのような決算書を作成すれば融資が通りやすくなるのか、その実務的なノウハウについてはあまり語られていません。
今回は、融資審査でチェックされる重要な財務指標と、融資が通りやすい決算書作成のポイントについて解説していきます。
■融資審査で重視される3つの財務指標
1. 自己資本比率
銀行が最も注目する指標の一つです。一般的に20%以上が望ましいとされています。自己資本を充実させることで、企業の安定性をアピールできます。
2. 借入金返済比率
毎月の返済額が月商の何%を占めているかを示す指標です。理想的には15%以下に抑えることが推奨されます。
3. 売上総利益率
業界平均を上回る利益率を維持できているかがポイントとなります。
■融資が通りやすい決算書作成の具体的な方法
1. 適切な在庫管理の実施
過剰在庫は資金効率を下げるため、適正な在庫水準を維持することが重要です。
2. 売掛金の回収期間の適正化
回収サイトを短縮し、キャッシュフローを改善することで、財務体質の強化につながります。
3. 経費の見直しと適切な計上
固定費の削減に取り組みつつ、必要な投資は明確に示すことが大切です。
■決算書作成時の留意点
・不自然な数値の変動を避ける
・経営計画との整合性を保つ
・業界標準と比較して説明可能な数値にする
■融資審査を有利に進めるための補足資料
1. 資金繰り表の作成
向こう6ヶ月から1年の資金計画を具体的に示すことで、返済能力をアピールできます。
2. 事業計画書の添付
融資金の使途と、それによる収益改善効果を明確に説明することが重要です。
■最後に
決算書は単なる数字の羅列ではなく、企業の経営状態を表す重要な書類です。銀行との良好な関係を築くためにも、日頃から適切な会計処理と経営管理を心がけることが大切です。特に、返済能力を示す指標については継続的な改善を図ることをお勧めします。
また、決算書の作成に際しては、税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることで、より説得力のある内容にすることができます。
融資審査は企業の実態を総合的に判断するものであり、決算書はその重要な判断材料の一つです。本記事で解説したポイントを参考に、自社の強みを適切に表現できる決算書作成を心がけていただければと思います。